国際理解セミナーのご報告

2011年9月、千葉県袖ヶ浦市の国際理解セミナーが開講されました。

全5回の第1回目は、後藤健二による『世界で一番大切なものは何か』。
世界を取材した映像や東日本大震災の話などをまじえながら、
人権について講義をしました。 

受講された皆様の熱心なご様子に感謝します。

 

PRESS ROOM:結果としての事実だけを捕えること-3

結果としての事実だけを捕えること-3

今回「伝える側の注目点」として、「脱原発」を訴えた株主提案は否決されたという事実を取り上げるのはわかる。
賠償に関する株主からの質問と、会社側の答えは、株主総会で議論があって当然の話題だ。
否決されたものの、賛成票が例年の5%程度から8%に上がったという数字は付随情報として新しい事実と言えばそうだろう。
(どちらかと言えば、利益を追求していく中でコストの安い原子力発電を進めてきた民間会社の株主でありながら、
例年「脱原発」意見する人たちが5%程度はいたということの方が「ふーん、そうだったんだ。その人たちは東電に何を求めて株を保有しているのか」と興味がある。
増えた3%の株主をもって『福島第一の事故があったから「脱原発」を考えるようになった人たちは、3%程度』と暗に言わんとしているように解釈することも可能だ。)

しかし、何よりももっと例年になくめずらしい“NEW”で、“もっとここが知りたかった”という事実はなかったのか?
あったはずだ。
例えば―
・明確な安全の基準とは何か?
・落っこちた株価をどのような方法で取り戻そうと考えているのか?
・他の電力会社の保有する原発との比較論はなかったか?
・ドイツなどの政策を例にしたエネルギー政策の話などはなかったか?

それらを知るには、議事録を読むしかない。
「記事」ではなく「記録」を読めば済むことなのである。
一般でも時間のある人ならそうすれば良いと思う。一方で、時間の無い人はどうする?
マスメディアは「記録」だけを淡々と載せるだけではつまらないし、成り立たない。
マスメディアの役割とは何なのか?
ジャーナリズムはマスメディアのどこに存在し得るのか―個人に依拠するのか、組織全体に依拠するのか?

好むか好まないかに関わらず、読者や視聴者にその判断をゆだねるしかないのが現状だ。

PRESS ROOM:結果としての事実だけを捕えること-2

結果としての事実だけを捕えること-2

厄介なのは、TVニュースのナレーション。
“視”からの情報と“聴”からの情報があいまって、ついつい誘導されがちになってしまう。

東京電力の株を保有する福島県南相馬市の桜井勝延市長の実名/固有名詞を出して、
脱原発の株主提案のまるで代表のように書いたナレーションもある。
彼は、放射線の恐怖を抱えて不安な日々を送っている住民たちから選ばれた首長なのだから、
脱原発を訴えるのは「至極当たり前の態度」だ。

「至極当たり前の態度」をわざわざニュースのナレーション原稿とするのはなぜか???
“NEWS”なのだから、当たり前のことだけでなく、めずらしい“NEW”で
もっと“ここが知りたかった”という発言や行動を取り上げるべきではないか。
(少なくとも、私はかつてプロデューサーやデスクからそんな言葉をよく言われた。)
賛成意見、反対意見、それぞれを併記して「公正中立」の体裁だけ整えたナレーションは、
これまた視聴者をやんわりと(そして新聞よりも明確に)欺いていると言える。

東電株主総会に関して、「明かなる結果としての事実」だけを捕えようとすると、
・株主総会が開かれた/6月29日
・開催場所
・参加人数
・開催時間
・討議・議決された議案の数/それぞれの賛否票数(%ではない)
・「脱原発」という文言の入った定款の一部変更の株主提案は否決された
・会社側の提案はすべて可決された/社内人事は了承された
・賠償問題が話された

以上なのである。

PRESS ROOM:結果としての事実だけを捕えること-1

結果としての事実だけを捕えること-1

報道機関、特に新聞はその記事や社説から立場や意見が簡単にわかる。
そして、そうした立場から記事や社説を書くことがあって当然のことだ。
但し、「弊社は○○に賛成します」とか「この政策を支持します」といった
“はっきりとした立場表明”がなされていることが前提だろう。
(ご存じだったでしょ)的な態度は、「公正中立」の名のもとに読者を
やんわりと欺いていると言える。
東電株主総会の記事や社説を読み比べてみる。
見どころは、会長や社長の数ある発言の中から、どの発言をピックアップしているかという点。
例えば、以下の三つを比べてみるだけでもずいぶん違う。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011062990020320.html
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110628-OYT1T01270.htm?from=y10
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110629k0000m070165000c.html

番組放送のご案内

番組放送のご案内

NHK BS1
放送日時: 5月8日(日) 16:00-17:50
プロジェクトWISDOMスペシャル[再]
「緊急報告・中東革命・第1回」ジャスミン革命の行方(中断[ニュース])

5月1日の再放送です。
お見逃しになられた方、もう一度よく観て考察したい、という皆さまにぜひご覧いただきたいと思います。
日本を含んだ世界は今、大きな転換点を迎えています。
ご意見、ご感想をお寄せください。

後藤健二

 

コメント

  1. より:2011年5月9日
民主化するということがこんなに難しいこととは、今の日本で生きている私達にはなかなか理解出来ない事柄だとおもいます。
一番避けなければいけないことは、今の日本は世界がどうなって行くのか見る事は、後回しでいいと思ってしまう事。こんな時だから、世界中の人達に感謝しつつ、世界の事もきちんと理解しなければいけないのでは。
なんとか、この革命がいい方向に向かってくれる事を期待したいと思います。

ルポ:Rebuild Japan, spring

皆様へ、

宮城県女川町にある女川第二小学校と第四小学校の合同始業式&入学式の様子です。

ピカピカの一年生を迎えた新六年生の少年は、「この歌を送ります」と言います。

途方もなく長い復興への道のりにあって、これは小さな一歩かもしれません。

しかし、子どもたちの未来への確かな力強い一歩です。

http://www.youtube.com/user/UNICEFJapanNatCom#p/u/1/SPXpdj7s5s0

ポスト・プロダクション・ディレクター:後藤健二 エディター:村松直(ビーパーク)

Dear my brothers & sisters,

There is the voice from children who are “Back To School”. A boy, around 12 years old , said we present you our song. This might be a tiny step from returning to their normal life.  However, it is a difinite and strong step for their brilliant future.   

http://www.youtube.com/user/UNICEFJapanNatCom#p/u/1/SPXpdj7s5s0

post production director: Kenji Goto, editor: Nao Muramatsu (B-park. Inc)

Press Room:情報集めて『私たちにできること』をする

東日本大震災緊急支援

神奈川県のボランティアの皆さんが活躍中!

えほんをおくろう。えがおをおくろう。
東日本大震災で被災した子どもたちのために、
ユニセフ 『ちっちゃな図書館』プロジェクト

神奈川県のボランティアの皆さんが、東日本大震災で被災した地域の子どもたちのために、『ちっちゃな図書館』プロジェクトの作業に活躍しています。

 ユニセフ(国連児童基金)の全面的な協力のもと、子どもたちやお母さんを中心に東日本大震災の被災者の方々への支援活動を展開している公益財団法人日本ユニセフ協会が、「子どもにやさしい空間」づくりの一環として実施している、被災地の子どもたちに日本全国の皆様の想いの詰まった「絵本」と「笑顔」を届ける『ユニセフ ちっちゃな図書館』プロジェクト。

先月26日の受付開始以来、本当にたくさんの皆さまから絵本や紙芝居、児童書をお寄せいただきました。(※本の受付は4月5日をもって終了いたしました。)
そして先日4日には『ちっちゃな図書館』第一便が、宮城県石巻市の避難所に到着。
現在も引き続き、ユニセフハウスおよび神奈川県ユニセフ協会において、たくさんのボランティアの皆さんの協力を得て、仕分け・発送作業などを行っています。

岡山県でボランティアの皆さんが準備に活躍中!
ユニセフ「バック・トゥ・スクール」キャンペーン
       
岡山県でも、ボランティアの皆さんが東日本大震災で被災した地域の子どもたちのために、ノートや文具のセットを送る準備に活躍しています。

4月に入り、学校再開に向けた準備が各地で活発に進められています。
ユニセフ(国連児童基金)の全面的な協力のもと、子どもたちやお母さんを中心に東日本大震災の被災者の方々への支援活動を展開している日本ユニセフ協会では、各地の小中学校の始業式に合わせた、子どもたちや先生方の文房具や学校用の備品などの提供を軸にした「バック・トゥ・スクール(学校へ戻ろう)」キャンペーンを準備しています。

その一環として岩手県の被災地の小中学生約16,000人に対して、新学期のはじまりと同時にノートと文具のセットを届けるべく、岡山ユニセフ協会および香川県ユニセフ協会のボランティアの皆さんが、準備作業を行っています。

(公財)日本ユニセフ協会 www.unicef.or.jp メディア・アドバイザリーより転記

 

特集 Special: Rebuild Japan

http://www.youtube.com/user/unicefjapannatcom

ユニセフ緊急人道支援の記録です。
ここから、子どもたちへの本当の支援が始まります。
日本の子どもたちも世界の子どもたちも、平等で同じ権利を持っています。
皆様、ぜひご覧ください。

Now here is braodcasting for emergency relief & activity of UNICEF on the ground.
These seem like a worldwide support just on the horizon for the children.

They have equal and same rights, No differences & No matter who are living In Japan or other place under any hersh situation.
Please, just look at our reportages.

取材・撮影・制作: 後藤健二、石井暁
report / camera / production: Kenji Goto, Akira Ishii
narita unit: Watabiki (Eiko inc.)

ルポ: Rebuild Japan

三月二十一日

3月21日 00:58
[石井暁 記者より通信] mail from Akira Ishii, journalist  
お疲れ様です。東北自動車道福島ジャンクション手前で検問。高速降り長くストップ。福島原発で放水活動した消防車数台が対抗車線を通るとの事。車両が放射線浴びてるので付近の一般車両は退避。チェルノブイリで、消化作業した車両を安全区域に出さず、その場で放棄してるのを思い出す。車内から見えず外から撮ろうとしたが、危ないので外出るなと言われ、知らんうちに消防車通り過ぎ、再びスタートし今徐行。到着が後三時間位。