『エイズの村に生まれて~命をつなぐ16歳の母・ナターシャ~』
『ダイヤモンドより平和が欲しい~子ども兵士・ムリアの告白~』
「ダイヤモンドより平和が欲しい~子ども兵士・ムリアの告白~」は実に5刷、ロングセラーです。子ども兵士はいなくなったか-いいえ、戦うことしかできない子どもたちは、今この時も増え続けています。
「エイズの村に生まれて~命をつなぐ16歳の母・ナターシャ~」は、日本の人たちが今まであまり意識してこなかったテーマを取り上げています。それだけに、多くの子どもたちと大人に読まれていることに感動をおぼえます。人は間違いを犯す。でも、けして死んではならない-ナターシャとバレリアちゃんの「生きたい」という強いメッセージを受け取ってほしいと思います。
コメント /
- みそら より:2008年7月9日
はじめまして。
「エイズの村に生まれて~命をつなぐ16歳の母・ナターシャ~」を読ませていただきました。
私は保健所で働いています。とても勉強になりました。ですが、「HIV感染」と「エイズ発症」が文中では混同してあり、非常に気になりました。エイズの恐怖を伝えようとするあまり、医学的には間違った(もしくは誤解をうける)表現が多々ありました。
もちろん病気のことはご存知の上で、わかりやすく表現されたのだろうと思います。ですが、全国各地の図書館にも置かれてあるようでなので、やはり丁寧に表現して欲しいと願いこちらにコメントいたします。
保健所のHIV検査は毎回いっぱいです。これからもエイズに関する本の出版を楽しみにしています。命をかけた危険なお仕事ですが応援しています。
- 後藤健二 より:2008年7月19日
みそらさん、
ありがとうございます。
毎日HIV検査の現場にいらっしゃる方からこうしたコメントをいただけることに、この本を出した手応えと意義を感じています。とても感謝しています。
この本で最も伝えなくてはならないのは、HIV/エイズという病気そのものの恐さです。そして「知らなかった」ではすまされないという考え方です。
このメッセージに焦点をあて、わかりやすく表現しているため、読み手によっては混同していると思われる方もいらっしゃると思います。
この点に関しては、これからもう一度内容の全体観を踏まえた上で、再考してみたいと思います。よろしいでしょうか?
一方で、「あとがき」でも申し上げている通り、HIV/エイズの恐ろしさをわかっている、あるいは伝えなくてはならない日本の大人たちが、今この時代にも議論を避けていることに対する苛立ちのようなものがあります。
真剣に子どもたちに教え、導いていっているかどうか-問いかけたいという思いをこの本には込めています。
知識は学べば身につきます。しかし、自分たちが生きている社会に、その知識をどう還元しているかが私たちプロフェッショナルに問われていることだと思います。
5月24日、29日に放送されたNHK BSドキュメンタリー シリーズアフリカ2008の『ルワンダ 女性たちの国づくり』をぜひご覧いただきたいと思います。
NHKのアーカイブセンター(埼玉)でご覧になれると思いますが、もし手に入れることが難しい場合には遠慮なくご相談ください。
とてもとても大切なコメントをありがとうございます。
私のような職業の人間が、みそらさんのように現場で真摯に取り組んでいらっしゃる方々の助けに少しでもなればと思います。
心から応援していますし、これからも関わり続けてください。
後藤健二