伊藤和也さんについて

皆さんへ

若者はたくさんの人に愛され続けます。

あなたの愛したその土地には、まだやり残したこと、やりたいことがたくさんあることでしょう。
でも、今この一瞬だけは眠りについて疲れを癒そう。

ペシャワール会は27日、伊藤和也さんがアフガニスタンへ行って働きたいと願う動機を綴った文章(03年6月15日付)を公表しました。新聞で読んだ方もいることでしょう。ここに掲載します。

私がワーカーを志望した動機は、アフガニスタンに行き、私ができることをやりたい、そう思ったからです。

 私が、アフガニスタンという国を知ったのは、2001年の9・11同時多発テロに対するアメリカの報復爆撃によってです。

 その時まで、周辺国であるパキスタンやイランといった国は知っているのに、アフガニスタンという国を全く知りませんでした。

 「アフガニスタンは、忘れさられた国である」

 この言葉は、私がペシャワール会を知る前から入会している「カレーズの会」の理事長であり、アフガニスタン人でもある医師のレシャード・カレッド先生が言われたことです。今ならうなずけます。

 私がなぜアフガニスタンに関心を持つようになったのか。

 それは、アフガニスタンの復興に関係するニュースが流れている時に見た農業支援という言葉からです。

 このこと以降、アフガニスタンに対しての興味を持ち、「風の学校」(海外で協力活動をする青年を育てるNGO)の設立者である中田正一先生の番組、偶然新聞で見つけたカレーズの会の活動、そして、カレーズの会の活動に参加している時に見せてもらったペシャワール会の会報とその活動をテーマにしたマンガ、それらを通して現地にいきたい気持ちが、強くなりました。

 私は、関心がないことには、まったくと言っていいほど反応しない性格です。

 反応したとしても、すぐに、忘れてしまうか、流してしまいます。その反面、関心を持ったことはとことんやってみたい、やらなければ気がすまないといった面があり、今回は、後者です。

私の現在の力量を判断すると、語学は、はっきりいってダメです。農業の分野に関しても、経験・知識ともに不足していることは否定できません。ただ私は、現地の人たちと一緒に成長していきたいと考えています。

 私が目指していること、アフガニスタンを本来あるべき緑豊かな国に、戻すことをお手伝いしたいということです。これは2年や3年で出来ることではありません。

 子どもたちが将来、食料のことで困ることのない環境に少しでも近づけることができるよう、力になれればと考えています。

 甘い考えかもしれないし、行ったとしても現地の厳しい環境に耐えられるのかどうかもわかりません。

 しかし、現地に行かなければ、何も始まらない。

 そう考えて、今回、日本人ワーカーを希望しました。

「私は、現地の人たちと一緒に成長していきたいと考えています。」「私が目指していること、アフガニスタンを本来あるべき緑豊かな国に、戻すことをお手伝いしたいということです。」 「子どもたちが将来、食料のことで困ることのない環境に少しでも近づけることができるよう、力になれればと考えています。」---

「隣人を愛する」というのは、こういうことだと思います。

皆さん、ことに『レインボープロジェクト』に参加してくれた皆さん、ジャララバードの子どもたちの絵を見て何かを感じとってくれた皆さん、私たちが考えなくてはいけない最も大切なことは、「ここで挫折してはならない」ということです。

同じ時代を生きる隣人への愛、将来この世界を生きていく子どもたちを想う愛・・・

若者よ、生きる意味を教えてくれてありがとう。

ご家族の方々へ、

心からご冥福をお祈りいたします。

ご心痛は察して余りあるものと思いますが、どうかご自愛下さい。

後藤健二

 

コメント /


  1. みず より:2008年9月5日

後藤健二さん、ありがとうございます。
頑張ります。頑張りましょう。
(私はレインボープロジェクト参加者です)

私が勤めている会社の価値観も変わりつつあると最近感じます。これは追い風です。・・・と私は思っています。
簡単にはいかないかもしれませんが、頑張ってみようと思っています。まだまだ模索の模索中ですが。

現地から、現場から、の生の声は貴重です。
私には考える材料になります。
勉強させていただいてます、これからもよろしくお願いします。

伊藤和也さんのご冥福をお祈りいたします。
ありがとうございました。


  1. 後藤健二 より:2008年9月17日

みずさん、

どうもありがとうございます。
「追い風」と感じるのは、いつもいつもご自身が意識を持って生きていらっしゃるからなのでしょうね。
知って考えることから行動へ-「模索の模索中」にでも私が何かお手伝いできることがありましたらぜひご相談下さい。
レインボープロジェクトは、皆さんが行動した結果、形作られたものなのですから。

勇気の出るメールを。ありがとうございます。

後藤健二