2013年最初のとても残念な演説

内戦状態に陥っているシリアのアサド大統領の演説は、徹底的に反政府勢力の掃討を改めて確認したに過ぎなかった。政治的解決はもはや不可能。強硬な姿勢を誇示したアサド大統領への反発は、これでさらに拍車がかかる。何か建設的な提案があるかもと思ってほぼLIVEで注目していたが、聞いてがっくり。憔悴感を感じる。けして、頭の悪い人ではないはずなのだが…、日本人のインタビューしてみたい K

■夏の講演会へお出かけください

来る7月29日(日)午前11時~東京都多摩市主催の平和展で講演会があります。

テレビや新聞・週刊誌等では語り得ない、国際ジャーナリスト後藤健二が現場で目に焼き付けた真実の物語です。
最新のシリア情勢を交えて同じ時代を生きる人々からの『生き抜くためのメッセージ』。
お時間のある方はぜひご参加いただき、ご意見ご感想をお寄せください。

詳細は↓↓↓

http://www.city.tama.lg.jp/bunka/10860/13781/013816.html

Inside Syria

★6月22日放送『“内戦突入”シリアの市民たちは今』を見のがした方々へ-

レポートは以下でご覧になれます。
(動画は付いていませんが内容はご理解いただけると思います)
http://www.nhk.or.jp/worldwave/marugoto/2012/06/0622.html

後藤健二 「あの取材から1か月。シリアを取り巻く国際社会の動きに進展は見られません。悪化したのは、スンニ派住民とアラウィ派住民の対立。死人の数だけが増えていく。女性や子どもたちまでも…。同じシリア国民なのに憎しみ合い、全く別の国の人たちと隣同士で暮らしているようです、と現地の人たちは話しています。状況も毎日変わるので明日どうなるか?自分たちにも予想ができないと言います。

私たちと同じように彼らもオリンピックを楽しみたいはず。単純に、不公平ですよね。」

インサイド・シリア-“内戦突入” シリアの市民たちは今

放送のお知らせ

6月22日(金)午後10:00-10:50
NHK BS1『ワールドウェイブトゥナイト』 
“内戦突入”シリアの市民たちは今

http://www.nhk.or.jp/worldwave/index.html

後藤健二がシリア国内から、最新映像とともにご報告します。
現地の人たちの声に耳を傾けてみてください。

PRESS ROOM:結果としての事実だけを捕えること-3

結果としての事実だけを捕えること-3

今回「伝える側の注目点」として、「脱原発」を訴えた株主提案は否決されたという事実を取り上げるのはわかる。
賠償に関する株主からの質問と、会社側の答えは、株主総会で議論があって当然の話題だ。
否決されたものの、賛成票が例年の5%程度から8%に上がったという数字は付随情報として新しい事実と言えばそうだろう。
(どちらかと言えば、利益を追求していく中でコストの安い原子力発電を進めてきた民間会社の株主でありながら、
例年「脱原発」意見する人たちが5%程度はいたということの方が「ふーん、そうだったんだ。その人たちは東電に何を求めて株を保有しているのか」と興味がある。
増えた3%の株主をもって『福島第一の事故があったから「脱原発」を考えるようになった人たちは、3%程度』と暗に言わんとしているように解釈することも可能だ。)

しかし、何よりももっと例年になくめずらしい“NEW”で、“もっとここが知りたかった”という事実はなかったのか?
あったはずだ。
例えば―
・明確な安全の基準とは何か?
・落っこちた株価をどのような方法で取り戻そうと考えているのか?
・他の電力会社の保有する原発との比較論はなかったか?
・ドイツなどの政策を例にしたエネルギー政策の話などはなかったか?

それらを知るには、議事録を読むしかない。
「記事」ではなく「記録」を読めば済むことなのである。
一般でも時間のある人ならそうすれば良いと思う。一方で、時間の無い人はどうする?
マスメディアは「記録」だけを淡々と載せるだけではつまらないし、成り立たない。
マスメディアの役割とは何なのか?
ジャーナリズムはマスメディアのどこに存在し得るのか―個人に依拠するのか、組織全体に依拠するのか?

好むか好まないかに関わらず、読者や視聴者にその判断をゆだねるしかないのが現状だ。

PRESS ROOM:結果としての事実だけを捕えること-2

結果としての事実だけを捕えること-2

厄介なのは、TVニュースのナレーション。
“視”からの情報と“聴”からの情報があいまって、ついつい誘導されがちになってしまう。

東京電力の株を保有する福島県南相馬市の桜井勝延市長の実名/固有名詞を出して、
脱原発の株主提案のまるで代表のように書いたナレーションもある。
彼は、放射線の恐怖を抱えて不安な日々を送っている住民たちから選ばれた首長なのだから、
脱原発を訴えるのは「至極当たり前の態度」だ。

「至極当たり前の態度」をわざわざニュースのナレーション原稿とするのはなぜか???
“NEWS”なのだから、当たり前のことだけでなく、めずらしい“NEW”で
もっと“ここが知りたかった”という発言や行動を取り上げるべきではないか。
(少なくとも、私はかつてプロデューサーやデスクからそんな言葉をよく言われた。)
賛成意見、反対意見、それぞれを併記して「公正中立」の体裁だけ整えたナレーションは、
これまた視聴者をやんわりと(そして新聞よりも明確に)欺いていると言える。

東電株主総会に関して、「明かなる結果としての事実」だけを捕えようとすると、
・株主総会が開かれた/6月29日
・開催場所
・参加人数
・開催時間
・討議・議決された議案の数/それぞれの賛否票数(%ではない)
・「脱原発」という文言の入った定款の一部変更の株主提案は否決された
・会社側の提案はすべて可決された/社内人事は了承された
・賠償問題が話された

以上なのである。

PRESS ROOM:結果としての事実だけを捕えること-1

結果としての事実だけを捕えること-1

報道機関、特に新聞はその記事や社説から立場や意見が簡単にわかる。
そして、そうした立場から記事や社説を書くことがあって当然のことだ。
但し、「弊社は○○に賛成します」とか「この政策を支持します」といった
“はっきりとした立場表明”がなされていることが前提だろう。
(ご存じだったでしょ)的な態度は、「公正中立」の名のもとに読者を
やんわりと欺いていると言える。
東電株主総会の記事や社説を読み比べてみる。
見どころは、会長や社長の数ある発言の中から、どの発言をピックアップしているかという点。
例えば、以下の三つを比べてみるだけでもずいぶん違う。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011062990020320.html
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110628-OYT1T01270.htm?from=y10
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110629k0000m070165000c.html

番組放送のご案内

番組放送のご案内

NHK BS1
放送日時: 5月8日(日) 16:00-17:50
プロジェクトWISDOMスペシャル[再]
「緊急報告・中東革命・第1回」ジャスミン革命の行方(中断[ニュース])

5月1日の再放送です。
お見逃しになられた方、もう一度よく観て考察したい、という皆さまにぜひご覧いただきたいと思います。
日本を含んだ世界は今、大きな転換点を迎えています。
ご意見、ご感想をお寄せください。

後藤健二

 

コメント

  1. より:2011年5月9日
民主化するということがこんなに難しいこととは、今の日本で生きている私達にはなかなか理解出来ない事柄だとおもいます。
一番避けなければいけないことは、今の日本は世界がどうなって行くのか見る事は、後回しでいいと思ってしまう事。こんな時だから、世界中の人達に感謝しつつ、世界の事もきちんと理解しなければいけないのでは。
なんとか、この革命がいい方向に向かってくれる事を期待したいと思います。