★6月22日放送『“内戦突入”シリアの市民たちは今』を見のがした方々へ-
レポートは以下でご覧になれます。
(動画は付いていませんが内容はご理解いただけると思います)
http://www.nhk.or.jp/worldwave/marugoto/2012/06/0622.html
後藤健二 「あの取材から1か月。シリアを取り巻く国際社会の動きに進展は見られません。悪化したのは、スンニ派住民とアラウィ派住民の対立。死人の数だけが増えていく。女性や子どもたちまでも…。同じシリア国民なのに憎しみ合い、全く別の国の人たちと隣同士で暮らしているようです、と現地の人たちは話しています。状況も毎日変わるので明日どうなるか?自分たちにも予想ができないと言います。
私たちと同じように彼らもオリンピックを楽しみたいはず。単純に、不公平ですよね。」
インサイド・シリア-“内戦突入” シリアの市民たちは今

傍田
「内戦状態に陥ったとされるシリア情勢についてです。
国連の停戦監視団が活動停止に追い込まれて以降、反政府勢力と政府軍の攻防はさらに激しさを増しており、21日にはシリア全土で少なくとも128人が死亡しました。」
鎌倉
「一方、政府軍の戦闘機が隣国のヨルダンに緊急着陸し、パイロットが政治亡命を求めるなど、政府軍の中でもほころびが出始めています。」
緊迫続く“内戦状態”シリア
親子2代にわたり、40年以上シリアを支配してきたアサド政権。
反政府勢力は外国の支援を受けたテロリストだとして徹底抗戦を呼びかけました。

国を救うにはテロと戦うしかない。」
アサド政権は今年4月、いったん軍事行動を停止するとしたものの、その後も、反政府勢力に対する砲撃などを全土で続けています。
アサド大統領のこうした強硬姿勢に、国際社会からは非難の声が高まっています。

アサド政権への制裁を強化しなければならない。」
先週、シリアに派遣されている国連の停戦監視団は、「戦闘の激化で監視員が重大な危険にさらされている」として、監視活動の停止を発表しました。
シリアの人権団体などによりますと、停戦監視団が活動停止に追い込まれて以降、戦闘は激しさを増しており、21日だけで少なくとも128人が死亡したと見られるということです。

「政府軍と反政府勢力との戦闘は首都ダマスカスの中心部以外のほぼすべての地域に拡大していますが、今回、こちら、国の北西部にカメラが入りました。
この地域には国民のおよそ7割を占めるイスラム教スンニ派の住民とシーア派に近いとも言われ、アサド大統領が属する少数派のアラウィ派の住民が混在して暮らしてきました。
しかし、戦いが激しさを増すにつれ、住民同士の間でも対立が深まっています。
現地で今、何が起きているのか。
フリー・ジャーナリスト、後藤健二さんのリポートです。」
“内戦突入”シリアは今
今月(6月)初め、トルコからシリアに入国した私は、北西部の街サムラに向かいました。
ここは、これまで激しい戦闘が伝えられてはいない町です。
しかし、どこにも人影がなく、ゴーストタウンとなっていました。

「たくさんの建物がありますけれども、通りにはまったく人がいません。
この街から逃げ出してしまっています。」
突然、機関銃の音が聞こえました。
後藤記者
「ヘリコプターがすごい。
今私の真上を飛んでいます。」
政府軍のヘリコプターです。
反政府勢力をあぶりだそうとヘリからの攻撃が行われていました。
街に残るスンニ派の住民と出会いました。
電気や水道を止められ、わき水をくみ、廃材やまきで火をおこし生活していました。

「ヘリコプターがこない時に水をくむ。
畑仕事をしているだけなのに攻撃される。」
子供たちが国外に逃れ、家族がばらばらになってしまったと嘆く夫婦もいました。

皆追い出されて、息子たちは国外へ逃げました。」
スンニ派とアラウィ派 深刻化する宗派対立
私が訪ねた北西部は、多数を占めるスンニ派とアサド大統領が属し、軍や治安機関の中枢を占めるアラウィ派の人々がともに暮らしてきた地域です。
政府への不信感が高まる中で、反政府勢力に参加するスンニ派の住民が増えています。
自由シリア軍の拠点がある小さな村を訪ねました。

彼らの憤りは、政府へだけではなく、アサド大統領と同じアラウィ派の住民にも向けられていました。
スンニ派とアラウィ派の住民が、互いを憎しみ合うようになっているといいます。

もともとは何の摩擦もなかったのに、『スンニ派を殺すのは正しい』と政府がアラウィ派に吹き込んでいるんだ。
いとこもアラウィ派に殺されたんだ。」
教師をしてきたスンニ派の男性です。
生徒が反政府デモに参加するのを止めなかったとして、仕事を解雇されました。

政府は、アラウィ派の住民に食料や薬だけではなく武器まで援助しているといいます。
宗派の違いによる住民同士の対立が深刻化しています。
スンニ派元教師
「私たちには食料も薬もない。
私たちを守ってくれるのは、自由シリア軍しかいない。」
互いに憎しみ合い、不安に怯える日々。
その影響は子どもたちにも及んでいます。
「アサド大統領は好き?」
「好きじゃない。
子どもや女の人を大勢殺しているから。」

「政府軍を離反した兵士が反政府勢力の側について戦闘に加わっていることはこれまでもニュースでお伝えしてきましたが、今や、一般の人たちまでお互いの宗派が違うことで対立が深刻になっていることがわかりました。
この状況で、国連の停戦監視団もストップしてしまっています。」
傍田
「シリア情勢をめぐっては来週、アメリカのクリントン国務長官がロシアを訪れ、アサド政権の早期退陣に向けた協力を重ねて求めると見られますが、ロシア側がこれに応じる見通しはなく、国際社会としても有効な手立てが見いだせない状況が続いています。」
放送のお知らせ
6月22日(金)午後10:00-10:50
NHK BS1『ワールドウェイブトゥナイト』
“内戦突入”シリアの市民たちは今
http://www.nhk.or.jp/worldwave/index.html
後藤健二がシリア国内から、最新映像とともにご報告します。
現地の人たちの声に耳を傾けてみてください。
シリア報告:4/20番組放送の御案内
4月20日 金曜夜10:00~10:50
NHK BS1 「ワールドWAVEトゥナイト」
上記番組にて 後藤健二(INDEPENDENT PRESS)が シリアの取材報告をしますので 是非ご覧ください。
感想等を当ホームページに是非お寄せください。お待ちしております。
以下は 「ワールドWAVEトゥナイト」ホームページより-
「混迷のシリア 市民が記録した弾圧の実態」
12日の政府軍による撤退期限を迎えた今も各地で市民への攻撃が続くシリア。政権側は反政府勢力側の攻撃が止んでいないことを理由に再び激しい攻撃を開始、今週も100人近くが犠牲になったと伝えられている。この1年を見ると、国連によれば9000人以上が死亡したとされる。シリアは依然外国メディアへ厳しい取材制限をつづけるなか、今回、隣国トルコ側に逃れた人々の難民キャンプを取材したのがジャーナリストの後藤健二氏だ。これまでも紛争地域での人道問題をテーマに活動を行ってきた後藤氏は難民キャンプを取材でシリア国内の過酷な現実を携帯電話で撮影を続けてきたシリア人男性に出会った。兵士による拷問など反体制派の人々に対する過酷な弾圧の実態が記録されていた。後藤氏によるシリア人難民の取材、貴重なシリア国内の映像を交えて出口が見えないシリアでの弾圧の実態に迫る。
出演:後藤健二(INDEPENDENT PRESS)
『光なき孤児~東欧の小国の悲劇』
ソ連崩壊から20年が経ちました。
ソ連の経済圏に組み込まれていた産業が崩壊し、ヨーロッパの最貧国に転落した東欧の小国があります。モルドバの孤児問題をとおして 現在を考えたいと思います。
『光なき孤児~東欧の小国の悲劇』
NHK BS1 ドキュメンタリ-WAVE ~シリ-ズ・ソ連崩壊から20年~
(初回放送2011年12月28日)
番組の内容をご紹介します。
* * * * * * * * * * *
ヨーロッパの東モルドバ共和国の農村には、子どもの姿ばかりが目立ちます。多くの大人が外国へ出稼ぎに行ってしまい、子どもたちは親と離れて暮らしています。
「ママはイタリアで働いています。」「どこにも行かないでほしい。」(子どもたち)
親から連絡が途絶え、孤児になる子どもたちは増える一方です。
かつてはソビエト連邦に属する共和国の一つだったモルドバ。 しかし、社会主義に成りきった国に競争力のある産業は一向に育ちません。 今 一人当たりの平均月収は約100ユーロ、ヨーロッパで最も貧しい国となってしまったモルドバに自立の道は見えません。
首都キシニョフで 一日中行列が途切れない場所があります。隣国ルーマニアの領事館です。
「ヨーロッパに行けばお金を稼ぐことが出来ます。月に200ユーロしかもらえないベビーシッターの仕事がイタリアやスペインでは4倍ももらえます。この国にいては家族を養うことなんて出来ませんよ。」(女性)
4年前にEUに加盟したルーマニアに行けば、たくさんの働き口があります。市民権が手に入れば、ヨーロッパ各国を自由に移動し、さらに良い条件で働くことも可能になります。市民権の申請者は年間50万人以上います。しかし、得られるのは1万人にすぎません。 一日も早く外国に働きに出たいために 不法に出国する人たちも後を絶ちません。
モルドバ国家警察の警官たちの夜の任務は、子どもたちの保護です。保護される子どもたちは、キシニョフ市内で毎月100人を超えます。団地のボイラー室や地下室、使われなくなった排水溝・・・徹底的に探します。
「犯罪に関わっていなければいいが-」「外は寒いし凍死しかねないからね。死んでいるとき?ときどきあります。」(警官)
10月末から気温が急激に下がり、路上で暮らす子どもたちには 命の危険もあります。
深夜営業のカフェで保護したのは、14歳の少年3人です。昼間は通りで物乞いをしていました。2人は家出、1人は遠い村からやってきた孤児でした。身元調査をして親に連絡がつけば返します。身寄りの無い少年は 市内の孤児院に預けられることになりました。
「親は・・・いません」(少年)
キシニョフ市内には 8ヶ所の孤児院があります。その一つ「ガバローチェの家」は、国営の施設ですが運営は外国からのNGOの支援で成り立っています。路上生活をしていた子ども、捨てられていた幼児、薬物中毒の親から保護された兄弟・・・いつも定員オーバーの状態です。出生証明書もなく、誰が母親なのかすら分からない子どももいます。 親から離れたショックで言語障害や情緒不安定に陥る子も少なくありません。
孤児院の入所期限は最大2年です。子どもを親元に戻そうとケースワーカーが日々動いています。 しかし、家庭訪問の結果、親元に戻せるのは2割を切ります。
「子どもを育てる環境ではありません。別の家庭で育ててもらうほうが良いですね。」(ケースワーカー)
~つづく~
The picture
ただいま 「The picture」 にて公開中の写真は-
03.2012, Turky- Syria border : Syrian Refugee camp on their crisis.
2012年3月 トルコ-シリア国境 : シリア内戦から逃れてきた難民たちのキャンプ
まさに今、中東を生きる人々のメッセージです。
※「The picture」のページは 今回のホ-ムペ-ジリニュ-アルにあたり「大きな画像」にこだわって作りました。
ときどき更新してまいりますので どうぞお見逃しなく!
東日本大震災~インデペンデントプレスで振り返る一言
『世界で応援してくれている、頑張らないといけない』
ユニセフ 東日本大震災緊急基金 記者会見にて
声を震わせて語った 日本ユニセフ協会 菊川 穣 氏(2011年3月18日)
『こんな時だからこそ あの本の主人公たちの生き様が訴えかけられることがある』
「ユニセフ ちっちゃな図書館プロジェクト」へ著書寄贈にあたって
取材先チュニスより 後藤 健二(2011年4月)
『リビアの人たちに「フクシマは大丈夫ですか?」と言われた』
リビア取材後の講演にて 後藤 健二(2011年9月)
『東日本大震災からソマリアに戻ったら 大飢饉が待っていた』
ソマリア干ばつ緊急報告会にて
ユニセフ ソマリア事務所 國井 修 氏(2011年11月6日)
『世界では孤児を真正面から捉えている、
東日本大震災でも孤児問題はある、まだ取り上げられていないが』
講演にて モルドバの孤児問題から 後藤 健二(2011年12月)
『実はこの曲は一番演奏したかったのですが 自信が無くて封印していたのです』
気仙沼女子高等高校吹奏楽部 クリスマスコンサート in 霞が関ビルディングにて
アンコ-ル曲『ありがとう』の前に(2011年12月22日)
* * *
東日本大震災から もうすぐ一年というある日
一言が ふと頭の中をめぐっていき 振り返って並べてみました。
世界のこと、世界の人たちのことを知りたくて、
インデペンデントプレスにたどり着きました。
まさか、この日本が現場になるとは、この日本で世界を感じることになるとは、
全く思いもしませんでした。
しかし、それでも世界中が、どんどん動き続けていました。
『ありがとう』のメロディが、今もときおり頭の中を流れています。
ホ-ムペ-ジ再開 !
お待たせいたしました。
インデペンデント・プレスのホ-ムペ-ジを再開いたします。
皆様に充実したホ-ムペ-ジをお届けしていけるよう努めてまいります。
今後とも どうぞよろしくお願い申し上げます。
なお、一部に不備なペ-ジがございますが
順次整備してまいりますので
御了承くださいますようお願いいたします。
New Year’s Eve
激動と驚愕と困難の2011年。
家族を失った悲しみの中で この日を迎えている人たちに
想いを馳せたいと思います。
新しい年が 優しさで あふれますように。
11/14『中東革命の中で~現場報告』
チュニジアからリビア~
後藤健二が取材した中東革命の現場報告を行います。
日時: 2011年11月14日(月) 19:00~20:30
場所: 東京 大手町 産経新聞社会議室
詳細・お申込みは、下記の「大手町ニュースカレッジ」からお願いいたします。
http://www.newscollege.jp/top/1_2.php
皆様のご来場をお待ちしております。