Day-19 & to be continued.
家を朝3時半に出た。
イードの夜だというのに、昨晩も爆発音や機関銃の音とヘリの音が聞こえていた。途切れ途切れ単発で古臭い湿った銃声はおそらくお祝いの空砲だったのだろうな。
朝靄がかかっている。真っ暗で誰もいない通りをアメリカ軍がパトロールしている。いつも2台一組。前科があるだけに、間違って撃たれたらタマランな、と思う。ヨルダンで休暇を過ごそうというイラク人一行3人をマンスール地区の自宅で拾い、4時半に出発した。
全体を通して、こんなに治安が悪い悪いと言いながらアメリカ軍のパトロールや検問の規模は印象としては小さい。
ボーダーまでぴったり5時間。入国手続きに1時間。ヨルダンボーダーから3時間半。ヨルダン側の道は起伏があって、これが結構疲れる。前回と違い、出入国にはまったくストレスを感じなかった。予想外、めったにないことだ。
ドライバーはアブドゥラの腹違いの兄、ウィサン。ARIHAの最古参ドライバーの1人。一定のスピード、等間隔に取る休憩、ブレーキング、車線変更、ムダ口もなし・・・実に安定していて飛行機に乗っているみたいだ。頼れる会社だ。ファディに感謝。
深夜1時過ぎにフライトがあると思うのだけれど、ヨルダンはイード初日でほとんど休みだろうし、いつものように空港に行ってみないとわからないと思う。
今回は、別れが本当に惜しかった。精神的にも、肉体的にももっと居ることはできたし、取材するイシューもまだあったと思う。今までの「とりあえず終わったー」という感覚はほとんどない。ちょっとここまでの仕事をまとめにしばらく留守にする、というぐらいの感覚だ。それだけ環境に馴染んだということなのかもしれない。
現在進行形で歴史上重大な「占領下の生活」を見る、記録するというのは、仕事としても自分にとっても間違いなく意義がある。太平洋戦争後の日本は自分にとって過去のことで、これまでは実感するのは難しかったけれど、この取材が、独裁政権崩壊から占領という過去の出来事やこれから起こるかもしれない同じような出来事を実像としてとらえていくことに、必ず活きてくるはずだ。
今回は、「戦争直後」-「進行形の占領下」-「その後」の3部作のうちの第2部という位置付けのように思う。今回は全てのストーリーが連関しているし、きちんとまとめて形にできるはずだけれど、実はすごく難しい作業で簡単じゃない。今回NHKはセカンダリーだ。彼らの興味はここには無いと思う。小柳に相談するか?日本人と組んでBBCや2、アル-ジャジーラやパースペクティブのスタイルに合うのか?フォーマットをどうするか?頭の中がグルグルグルグル。