子ども兵士を探して (2)

   ユニセフのシエラレオネ事務所の根本さんには本当にお世話になった。
 華奢な感じの男性だが、フィールドが好きと言う言葉通りに真っ黒になっていた。独自の調査に力をいれ、積極的に情報発信して行こうという姿勢がいい。彼のような人がいると、メディアと人道援助機関との効果的な協力関係が作りやすい。すなわち、質の高い現場近況が一般の人たちに届きやすくなるということだ。

 話を聞かせてもらったのは、チャイルド・プロテクション・オフィサーのドナルド・ロバートショウ氏。NGO出身のロバートショウ氏は、シエラレオネで子どもたちの状況をを10年見てきたベテランだ。
<取材メモ>
・性的虐待(Sexual Abuse)と、ストリートチルドレンの問題は、戦前までシエラレオネの人たちの意識の中にはなかった問題で、戦後に認識されるようになった。その数もケースも報告されていない。
・戦争中のレイプ行為が、現在の性的虐待の根っこ。また、戦争中の麻薬中毒が、多くのストリートチルドレンを生んだ。
・支援は国際NGOを通すとコストが高くつくし、受益者の数にも限りがある。一方、地元政府による事業だと廉価で、しかも全国に及ぶことができる。多少の汚職や横流しがあっても、戦後復興段階の今は地元政府に資金援助して彼らにやってもらう方が効果は高い。
・とはいえ、シエラレオネは政府予算の60%がIMFや世銀の資金援助から成るという現実。
・リベリアやアフガニスタンに比べると、シエラレオネの方が戦後の国の再統合(reintegration)は進んでいる。中央政府のプレゼンスが全国に及んでいて環境は良い。
・復興期間は10年ぐらい
・シエラレオネ社会は、ごく少数の政治エリート、少数の中流層、大多数の貧困層からなる。
・機会と資源はいっぱいあるので、政治分野の発展を進めていけば未来は明るい。
・ユニセフとNGOの調査では、ストリートチルドレンは全国5都市で3,000人と推定。
・麻薬乱用を防ぐ予防的支援プロジェクトは望まれる。
・いろんなカテゴリーの人たちに、“How are you affected by war?”と尋ねたとすると、”War”という言葉にはほとんどの人が「戦争は終わった」と答える。「戦争の前と今とあなたの暮らしで何が変わったか?直接の影響は何か?」と聞いてみたら、シエラレオネの戦争が何だったのか、それによって人々の暮らしがどう変わったかを知る手がかりになるのでは。
・少年犯罪急増(警察への確認必要だが、統計がないと思われる)
・特別法廷・・・2004年7月から、15歳以上で「重大な責任を負う人物」対象。
メディアセクション有り、審議の様子は撮影可能、訴追されている12人への取材はNG。
The Special Court for Sierra Leone  www.sc-sl.org

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>