『もしかしたら、このアンケートに答えを書かなかった人もいるかもしれない。でも 質問は覚えているよね? 僕は 答えを絶対に書いてほしいとは思っていませんでした。つまり「考えてほしかった」ということだけなのです。別に答えが書けなくても それは全然構わないことです。でも、何かを考えたかもしれない。そこが重要なのです。』
このあとは アンケートの集計結果に基づいて進められました。児童の皆さんの答えを一つ一つ取り上げ、さらには 答えのなかにある言葉を一つ一つ取り上げながら、皆で考えていきました。
『そうだね、どう思う? ちょっと考えて、あとで調べてみて・・・普通ってどのくらい? 何が安心なのかな? どう気になったの? 自分はどうだろう? 他の人はどうだったかな?・・・政治って何ですか?国の復興支援て? 国って何? ボランティアって? 心ってなんだろう?・・・ここに書いて、これに〇印をして~普段の生活、家族、絆、本当の自分、自然、地球、自由、恐怖、平和を祈る・・・』
次々とかかる声に、子どもたちは 一生懸命に 聴き、書き、考えながら、積極的に授業に臨んでいたようでした。
そして 最後に取り上げた質問は、
●今回の震災を世界中の人たちはどう思って(見ている)と思いますか?
『これから一番大事なことを言います。これらは 世界の人達がどう思ってみているかという質問の答えだけど、実は君達が心の中で思っていること、君達が本当に心の中で考えていることなんだと思う。
どういうことかというと 「人がどう見ているのか」っていうのを自分が考えたときに出てきた答えが、君達が本当にやるべきことなんです。「まわりの人どう思っているかな?隣の人どう思っているかな?」と思ったら、そうしたら 自分がその答えを出したように 行動してください。
例えば、電車のなかでおばあちゃんが乗ってきた。席をゆずりたいな、でも恥ずかしいからできないな・・・それは自分が恥ずかしいんでしょ?
例えば、学校でポスター作りをするときは、このポスターを見た人はどう思うだろう?ということを考えて答えを出してください。そして そういうふうに作ってみてください。
例えば、隣のクラスにいつも暗い顔をして気になる子がいたら、その子が私をみたらどう思うかな?と自分にきいてみてください。私のことを元気な子だなと思ってくれているなら、その子に元気に挨拶してあげよう、とか。
自分がどう思うかではなくて、「相手がどう思うか」ということからみて、自分の意見を決めて、そして行動する。それはすごく大切なことです。まわりに気を遣いなさいって言っているんじゃないんだよ。相手の気持ちになって、相手の目線になって、自分が考えて出した答えが本当の事なんです。だからそれを信じて行動してくださいということです。
だから この質問の答えは、世界の人達ではなくて 君達自身の答えなんだと思います。』
今回の授業は、船橋市の子育て支援の一環として、小学校の授業に「子どもニュ-ス講座」 と題して取り入れられました。この機会をいただけましたことに感謝いたします。子どもたちの成長の一助になれましたら幸いです。