ビルマ(ミャンマー)で、ジャーナリストの長井健司氏が取材中に亡くなった―。
タイのエイズ問題やその背景、エイズになった子どもたちが犠牲になっていく姿を、時間をかけて追い続けた長井氏。膨大に撮りためた地道な取材に、私は感動した。彼と「どうしても長い特集枠での番組にしたい」と語り合った。
そして、NHK教育のETV2001『急増するエイズ孤児~タイ 75,000人の子どもたち』(プロデュース:インデペンデント・プレス 2001年10月24日放送)という番組が実現した。
彼の執念が番組全体に静かに熱くみなぎる番組だった。
優しい笑顔、妥協のない視点、粘っこい取材・・・「迷ったら現場にいくこと」と書いたメモを、私は今も持っている。
安らかに。