To be or not to be.

シナイ半島に行った。
世界各地で、なぜ、こうも衝突が絶えないのだろう?
その一方で、全世界中にに漂うグローバル化の疲れや失望-「私たちには正直わからない」「私たちだけは安全なはず・・・」「自分の家族が一番大事」といったある種開き直った意識。
“What can I do ?”
視聴者離れの激しいドキュメンタリーの存在意義とは何か?作り手はその点を深く考えようとしない。突き詰めていくと、自分の首を絞めるからだ。
モバイル時代にニュースに求められるモノは何か?短くても継続して伝え続けることが大きな山を動かすことになるのを忘れてしまったかのようだ。
メディアで伝えられる時には、もうすでにポリティカルなゲームにすり替えられてしまう昨今の事件事故。バリューを付けていくのは難しい。
「話題」の現場で起こることはごくシンプルだ。
朝10時くらいに床からのそのそ出て、何の迷いもなく考えもなくAK47やRPGを手にとり戦いに行って、戻ったら仲間と食事をして、タバコをくゆらせながら馬鹿話をして寝る。ごくまれにモノ好きな外国人のジャーナリストや諜報部員、自分たちの知り合いではない人たちの訪問を受けると、単なるおしゃべりが答えの出ない議論に変わる。そして、寝る-
そんな繰り返しが戦闘地帯における最前線の日常だ。

It means “Lost Age” really. これこそ本当に「失われた世代」だ

なぜ、彼らは死ななくてはならなかったのか?希望の光射す未来と無限の才能を持っていたのに。これから好きな女性ができて、結婚して、子どもを産み、家族を持てる十分な機会があったはずなのに。戦いに疲れ果てた人たちは口々に言う。「死んだ者は幸いだ。もう苦しむ必要はなく、安らかに眠れる。生きている方がよっぽど悲惨で苦しい」と。皮肉だが、本音だ。彼らは兵士でも戦場を取材するジャーナリストでもなかった。外国人と交流して異文化を味わうことを楽しみ、すべての時間を市民のために自分のできることに費やし、自分で思考錯誤しながら技術と得意分野を真っすぐに成長させて行った。

オマールはあの時何歳だったか?革命を信じたお子ちゃまカメラ少年は、いつの間にか生き生きした映像を録る勇敢なカメラマンになっていた。ISISに殺された。

そして、ハムザ。戦争孤児や貧しい家庭1,000世帯に、毎朝パンを届ける慈善団体を切り盛りする天才肌の若者だった。7月10日、空爆の犠牲になった。

彼らは、いつも笑顔でこちらの頼みを聞いてくれた。一緒にお茶を飲み、甘いお菓子を食べた。感謝のしるしに日本製の時計を、コンデジを、プレゼントした。戦時下では、プレゼントできること自体が嬉しいものだ。

世界各地の紛争地帯で、私の仕事を手伝ってくれた人たちが、もう何人亡くなっただろうか?

でも、私はまだ生きている。生きて自国に戻り、「伝える」仕事に集中することができる。

彼らが死ぬなどと真にイメージしたことは正直なかった。

鮮烈に蘇る彼らの優しい笑顔。

ボー然としたところで、「なぜ?」と考えたところで、彼らはもう戻って来ない。

どうか、神様。彼らに安らかなる日々をお与えください。

 

 

 

“Reality as it is”

レバノン ベイルートにHQを置くマヤディーンTV。アル・ジャジーラから飛び出したジャーナリストによって開局された。CM収入ではなく、支援者からの資金によって運営されている。レポートは情状的ではなく、編集からは市民に寄り添おうという気持ちが見てとれる。あらゆる勢力が映像メディアを使って世論に訴えてくる時代にあって、とてもとても小さなテレビ局だが、一本筋の通ったまじめな報道姿勢に、ジャーナリズムとは本来こういうものなのかもしれない-と思わされる。

Al Mayadeen

Al Mayadeen is an Arabic – language news and current affairs channel with its headquarters in Beirut, Lebanon; with its founder and CEO the renowned Ghassan Ben Jeddo. This network broadcasts news, talk shows, in addition to cultural and intellectual programs. Throughout all its airings Al Mayadeen is committed to telling the truth and follows their well-known logo “Reality as it is”.

http://www.almayadeen.net/ar/Live

下記の方がダイレクトにLIVEが見られるー

http://www.livestation.com/en/almayadeen

 

“白い街”ザータリ

ヨルダンのシリア国境からすぐの砂漠地帯に、同国5番目に大きい街が出現した。

「ザータリ」-シリア人難民キャンプ。おびただしい数の白いテントと白いプレハブが地面に張り付いている。微細な砂塵が視界を遮り、照りつける砂漠の日差しが体力を奪う。空気が重い。ストレスと疲労と涙と叫びが充満しているからだ。

12年連れ添うパートナーと口論。周囲の目もはばからず大声で怒鳴る。“白い街”ザータリは、訪れる者の「心」を食べて増殖を続ける。

海外での避難訓練に参加する

非常出口は、普段は閉まっている。海外では、その名の通り「非常」の時にしか開かない、建物から出るためだけ一方通行の通路である。個人的に見せてくれと言っても、平時はセキュリティ上の理由から対応してくれないのが普通。非常口に対する関心が低い日本に住む日本人だからこそ、参加しておく価値はあった。たとえ、仕事の途中だったとしても、だ。

ソマリア人海賊との再会(1)

彼は非常に疲れている様子だった。ほとんど瞬きもあまりせず、毛細血管が走るのがわかるほど大きな眼だが、わずかな精気しか見られなかった。肌の色も良くない。

私は、一番初めに食の話をしようと心に決め、忘れないように手の甲に「食」と書いていた。
ソマリアの食事は美味しい。地中海風だ。他のアフリカ諸国に比べて、味付けがしっかりしていて塩味やトマト味が洗練されている。
ガーリックを使っているような香ばしさもあったりする。ジャンキーさとワイルドさを兼ね備えた料理だ。日本の食事は、さぞかし軽くあっさりしているのではないだろうか。魚の煮つけなどが出た日には、味覚が違いすぎる。食は、体力にはもちろん、精神にも思考にも影響する。

私は、彼を質問攻めにして、ストレスを感じさせたくはなかった。私は、なぜ彼に会いに来たのか?と言う思いがよぎる。
そうだ、ただ話がしたかったのだと気がつく。勿論、海賊のこと、ソマリアのこと、故郷のこと、家族のこと、などよしなしごとを…時間の続く限り、陽の傾きに任せ、周囲が暑さを湛えたレッド・オレンジ色の空気から、藍いグラデーションをともなった漆黒に変わって行く時に任せて…。

私は、そう思った瞬間ソマリランドのベルベラにトリップした。
港には、内戦で半分沈み錆ついている輸送船があった。使い古して汚れた白いプラスチック製のテーブルとイスが雑然と置かれた屋外レストランで
Fish & Chipsを食べ、砂糖抜きの紅茶を飲んでいた。ここでは、Benson & Hedgesが軽い葉巻のように旨く感じられた。

一瞬のトリップ/旅だった。
接見室は寒い。彼は小さな震えから、ガチガチと歯のあたる音が聞こえるくらい大きく震えていた。
接見時間は15分。聞きたい事が山ほどある。余計なストレスをかけたくないと思いながらも時間は無駄にできなかった。

後藤健二

Dear his exellency-

We think now the most wanted for Japanese media is to have the interview with his exellency President Baššār al-ʾAsad.
As you know, there is some unbalance media output information about Syria especially for most Japanese who like Syria and middle east region. I feel now the time has come we ask and listen the voice to understand details logically & seriously in Syria by the exellency president in Syria.
Kenji Goto

Heal the world, Heal the own.

マイケル・ジャクソンのメッセージ・ソング。この曲を耳にするたび、「自分は今ここに居て良いのだろうか?」と自問する。膨大な取材テープの中には、これまで取材現場で出会ってきた子どもたちの痛々しくも文句ひとつ言わずその場でありのままに生きる子どもたちの姿が収められている。彼らの表情を、姿を思い出す。私の前に自分の生き様を見せてくれた。どれも悲しい。私はそれらを世に問うことができているだろうか?いや、到底できていないのだ。 kenji goto

2013年最初のとても残念な演説

内戦状態に陥っているシリアのアサド大統領の演説は、徹底的に反政府勢力の掃討を改めて確認したに過ぎなかった。政治的解決はもはや不可能。強硬な姿勢を誇示したアサド大統領への反発は、これでさらに拍車がかかる。何か建設的な提案があるかもと思ってほぼLIVEで注目していたが、聞いてがっくり。憔悴感を感じる。けして、頭の悪い人ではないはずなのだが…、日本人のインタビューしてみたい K

PRESS ROOM:結果としての事実だけを捕えること-3

結果としての事実だけを捕えること-3

今回「伝える側の注目点」として、「脱原発」を訴えた株主提案は否決されたという事実を取り上げるのはわかる。
賠償に関する株主からの質問と、会社側の答えは、株主総会で議論があって当然の話題だ。
否決されたものの、賛成票が例年の5%程度から8%に上がったという数字は付随情報として新しい事実と言えばそうだろう。
(どちらかと言えば、利益を追求していく中でコストの安い原子力発電を進めてきた民間会社の株主でありながら、
例年「脱原発」意見する人たちが5%程度はいたということの方が「ふーん、そうだったんだ。その人たちは東電に何を求めて株を保有しているのか」と興味がある。
増えた3%の株主をもって『福島第一の事故があったから「脱原発」を考えるようになった人たちは、3%程度』と暗に言わんとしているように解釈することも可能だ。)

しかし、何よりももっと例年になくめずらしい“NEW”で、“もっとここが知りたかった”という事実はなかったのか?
あったはずだ。
例えば―
・明確な安全の基準とは何か?
・落っこちた株価をどのような方法で取り戻そうと考えているのか?
・他の電力会社の保有する原発との比較論はなかったか?
・ドイツなどの政策を例にしたエネルギー政策の話などはなかったか?

それらを知るには、議事録を読むしかない。
「記事」ではなく「記録」を読めば済むことなのである。
一般でも時間のある人ならそうすれば良いと思う。一方で、時間の無い人はどうする?
マスメディアは「記録」だけを淡々と載せるだけではつまらないし、成り立たない。
マスメディアの役割とは何なのか?
ジャーナリズムはマスメディアのどこに存在し得るのか―個人に依拠するのか、組織全体に依拠するのか?

好むか好まないかに関わらず、読者や視聴者にその判断をゆだねるしかないのが現状だ。